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「ほめる」ということ

今日は通級学級の保護者会でした。通常学級の保護者会と違って子どもたちが学校に行っている午前中の時間を使って行います。今年は立正大学教授の中田洋二郎先生を講師に招いて、『子どもの気になる行動へのアプローチ~ペアレント・トレーニングの基礎から学ぶ~』をテーマに、2時間以上にわたって、たっぷり話をしていただきました。

今日の話の柱は『行動を見ることの意味』と『本当の「ほめる」ということは何か』ということでした。中田先生の話を踏まえて感想をまとめます。

通級児の保護者の多くは、かんしゃくをおこしたり、むやみに友だちをたたくなどの乱暴や、衝動的で固執的で、他者とのコミュニケーションがとりにくい我が子の行動に悩んでいます。しかし「子どもは本来、衝動的で、攻撃的で、欲求不満に陥りやすいもの」と捉えて、子どもの行動を見直していくことが大切です。見方を変えていけば「衝動性のコントロールが未熟」な子は「新たなことへの果敢な挑戦意欲が旺盛で、疲れを知らないエネルギッシュさを持っている」とも考えられます。同様に「コミュニケーションが苦手で、固執的で、こだわりの強い」子は「すぐに飽きずに諦めない探求心を持ち合わせ、簡単に情動に左右されない」子であり、「認知に偏りがある子」は、「ある分野での優れた能力を秘めている」子と考えてみることで、その子への寄り添い方が変わるのかも知れません。「苦手なこと」が多くある子へのアプローチとして大切なことは、①できる行動があることに気づかせる ②間違った行動を変化させる ③自信を与える という視点を意識した支援です。

次に「ほめる」ということについて書きます。
「ほめて育てる」ということの大切さが、いろいろなところで言われはじめてだいぶ経ちます。それに異論はありませんが、「何でもかんでもほめる」ことや「必要以上に大げさにほめる」ことには賛成できません。私の学級では「ほめすぎない」ことを、あえて意識してやっています。学級の様子を見学された方の中には「教師の表情が乏しい」とか「もっとほめてあげればいい」というような感想を持たれる方もいます。しかし、子どもたちは(特に通級してくる子どもたちは)いつも、同じように、ほめられたことができるわけではありません。「ほめすぎる」ということで、次に失敗したときにさらに大きく落ち込むことも珍しくありません。そしてたくさんほめられたことよりも、たまたまできなかった時の自分を責め、自己肯定感を下げていく子がたくさんいます。大げさにほめればほめるほど「あのときできたのに失敗した。やっぱり自分はだめなやつなんだ。」という思いを強くする子がたくさんいます。だから失敗した自分も受け入れられるように、ほめすぎることには慎重になるべきだという思いが、私にはいつもどこかにあります。

保護者(教師)の中には、「ほめるところが見つからない」という方もいます。子どもの気になるところや許せない行動ばかりに目がいき、「どうしてもほめることができない」という方も珍しくありません。しかし、できて当たり前のことでも、他のみんなが苦もなくやっていることでも、その子ができたときには「できたね」「それでいいよ」と声をかけてあげることが大切です。それは「(私は)あなたの変化(行動)を見てるよ」というメッセージを伝えることだからです。つまり、子どもの良い行動に気づいていることを伝えることで、子ども自身が適切な行動を肯定的に注目していくことになるからです。そして「肯定的な注目」は、良い行動を持続させ、増やすことに繋がります。

通級児に限らずどの子に対しても、親や教師が子どもの行動に向き合い、「さりげなく」ほめていくことが子どもの行動を変えていくときには何よりも大切だということを、これまで以上に多くの人に伝えていきたいと思います。

【ほめる行動を見つけるためのヒント】  ※中田先生の話から
①同じ年齢の子どもではできて当たり前なことでも、以前はできなかったことで最近できるようになったことを探す。
②昨日の朝、子どもが起きたときから寝るまでを、振り返って、あなたが好きな行動を見つける。
③今日から、一日の子どもの行動を観察し、あなたが好きな行動を見つけ、メモする。
④複数の行動が連鎖しているのをほどく。<一つ一つの行動(動作)を分けて見ていく。>
 少し年齢が大きな子には…
①子どもが大きくなるにしたがって表面の行動から、内面の変化に目を向けていく声かけを。
②考える力、大人としての判断、自制心、それらをできるかぎりほめていく。
③行動だけではなく、価値観、感情、性格もほめる。
④子どもの行動を見守り、子ども自身が納得する内容でほめる。
⑤すぐにほめずにチャンスをみはからってほめる。

いずれも時にも、「行動をできるだけ具体的に言葉にしていく」「批判・コメントはしない」ということは言うまでもないことです。


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二学期制から三学期制へ

私の務める区では、5年前に二学期制になりました。当時、区の教育委員会は「学びの連続性」を理由として、学校現場の声に耳を傾けることなく制度変更を進めました。

決定を受けて学校現場では、行事や毎日の時程を見直しながら、二学期制に対応していく教育課程を知恵を絞って編成してきました。そうした現場の努力や工夫を踏みにじるかのように、2年後に再び三学期制に戻すことが正式に決まりました。またしても現場の声を丁寧に聞き取ることなく決められた感が拭えません。

私は個人的には三学期制に賛成に立場です。四季のある日本の風土や、二学期制になったとはいえ長期休業を挟んで計画を立てている学校の生活スタイルには三学期の方がしっくりくると感じます。また教師も子どもも気分を一新(リセット)する機会が持ちやすいということを考えても、きっと三学期制の方が取り組みやすいことが多いようにも思います。

しかし教員の(特に小学校の教員の立場で)仕事を考えたとき、一概に「賛成」とは言いにくい現状があることは確かです。三学期制になれば評価(通知票:あゆみ)を3回出すことになります。それだけを考えても仕事が増えることは間違いありません。二学期制に合わせて整えてきた諸帳簿やいろいろな提出物の書式を変えることも必要ですし、学校の教育課程を検討し直すこともやらなければなりません。現場はまたまた混乱し、いっそうの多忙化が生まれます。

「学びの連続性」という現場感覚から大きく離れた意味づけで始まった二学期制が、今度は「新たな三学期制として制度変更する」という訳の分からない言い方で昔に戻ります。「新たな三学期制」って何なのか、その説明は一切ない中で物事がどんどん変えられていきます。


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同窓会

20年近く前に担任した子どもたちの同窓会に招かれました。

この子たち(と言ってもみんな30過ぎてますが…)とは5年、6年の担任として二年間のつきあいでした。その学校にも個人的な事情で三年しかいなかったので、期間としては本当にわずかなものでした。しかし節目節目で声をかけていただき、小学校を卒業してから、これまでにも何回か会っています。

私が異動した時は保護者と一緒にお別れ会を開いてくれました。

中学に入学してそれぞれ中学は分かれましたが、子ども同士つながりは保っていたようです。「釣りに行きたい」と誘われて、私の娘も一緒に行ったこともありました。

成人したときにもみんなで集まり、私にも声をかけてくれました。

25歳になったときの集まりには、私は都合がつかず参加できませんでしたが、そのとき「30歳になったらまた会おう」と決めていたそうです。

30歳から少し経ちましたが、すっかり大人になった「子どもたち」と会いました。結婚し子どもがいる子も、今日は子どもを預けて参加してくれたということです。東京を離れて暮らしている子は新幹線や飛行機で来たそうです。今回は「同窓会」なので、隣のクラスだった担任や子どもたちも一緒でした。残念ながら参加できなかった子の近況を聞くこともできました。

しっかり者でクラスをまとめてくれた子も、おとなしく出しゃばることがなかった子も、ちょっと気になることがあった子も、友だちをいじめたり、いじめられたりしていた子も、みんなそれなりに仕事に就き、家庭を持ち、社会人として過ごしているようです。

個人的には昔の話をされるのは「穴があったら入りたい」くらい気恥ずかしいのですが、それぞれの違いを受け止めながら、気が合うとか合わないとかに重きを置きすぎないで、それぞれが小学校時代のつながりを大切にしていることが、担任をした教師としては嬉しいです。

次回は「40歳になったら…」だそうです。「30歳になった時、みんなで会ったのがついこの間のことのようだね」と言って再会できるように、また明日から過ごしたいと思います。


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臨時休校

今日は台風18号接近のため学校は臨時休校となりました。

最近は「メール配信システム」というものがあって、事前に登録しておくと学校からの連絡がいろいろ届くようになっています。今日の休校も朝7時にメールで連絡が来ました。だから通常級の担任は、学校に来て子どもたちの家庭に一軒一軒電話連絡をしなくてすみます。以前ならその日の朝の判断で臨時休校にすることなんてあり得ませんでした。台風が来ても、大雪が降っても学校が休みになることはなく、来られる子は来て来られない子は各家庭の判断で休むことが当たり前でした。しかしこれは、保護者(教職員)全員がメール受信が可能という前提のもとに成り立っているシステムなので、「携帯持ってない人いないのかなぁ」と心配してしまいます。でも職員室から家庭に電話している人はいないようだったし、それを言うのはどうも余計なことなのかも知れません。 

子どもたちはお休みでしたが、私たちはいつも通り出勤しました。出勤時、雨は降っていましたがそれほど強くなく、普通に傘を差して歩くことができました。

学校へ着いて、今日通級予定の子どもの家に電話連絡をしました。校内の子はメールで連絡がいきますが、他の学校から通級して来る子への連絡は個別にする必要があります。

午前中は夕方予定していた「ちょこっと塾」。これは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の一環とかで、『ベテラン(?)教師が若手教師に何でもいいから「ちょこっと」教える』というものです。今日は私の担当でした。子どもがいない午前中ということもあって14名もの先生が参加してくれました。どうせやるならやっぱり参加者が少ないより多い方がいいですね。今日は「ゲーム大会」を想定したものをワークショップ的にやりました。内容はリバーシ(巨大なオセロの駒みたいなのをひっくり返していくゲーム) 箸使い競争(箸で発砲スチロールの緩衝材をつまむゲーム) 紙飛行機飛ばし(紙飛行機を作って遠くへ飛ばす) の3つのゲームをチーム対抗戦でやりました。時間的に余裕もあったので結構盛り上がり、楽しいちょこっと塾になりました。 

午後からは以前通級していた子どもの保護者と面談。保護者の心配や悩みはいつになってもつきません。私ができることは「お母さんは頑張っていますよ」「ここで学んだことを精一杯やっていると思いますよ」とゆっくり話を聞いて、励ますことくらいしか今はできません。何か一つでも拠り所になることを見つけて帰っていただけたなら嬉しいです。 

私の地域では午後からは日差しも出て、休校にして申し訳ないようないい天気になりましたが、各地では台風の被害で、大変な思いをされている方がたくさん出てしまいました。今年は本当に、自然がもたらす災害に、心が痛むことが多くあります。


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都民の日~カッパのバッジ~

今日、10月1日は都民の日です。都内の公立学校はお休み…のはずですが、最近は「授業時数確保」ということでふつうに登校している学校もあります。(お休みしている学校も教員は勤務です。)

都民の日には、東京都が管理する博物館や動物園などの一部施設が無料になります。昔はこの日に合わせて「カッパのバッジ」を学校で販売していました。このバッジは都営施設の無料入場を認める際の目印として販売されていたようです。記録では1997年まで販売していたそうなので、私が教員になってからも毎年希望者からお金を徴収して渡していました。買った子は嬉しそうに帽子につけ、買ってもらえなかった子は少し寂しい思いをしていたのを思い出します。

 今になって思えばいろいろな問題を感じさせることが、あまり深く考えられることなく平気でやられていました。「古き良き時代」とは言えないようなことを、学校も無神経にやってきたことは覚えておきたいものです。


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彼岸花

今日は秋分の日で学校はお休みでした。

朝から心地よく風が吹き、爽やかな、いい天気になりました。

最近時間があるとウォーキングと称して地域を歩いています。歩きながら今まで気づかなかったものを目にすることも珍しくありません。最近は彼岸花がきれいです。数年前までは数本しか咲いていなかったところに、たくさん咲いているのを見ることも珍しくありません。

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白い彼岸花も咲いていました。

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彼岸花を見るときまって新美南吉の「ごんぎつね」が頭に浮かびます。兵十のおっかあが亡くなり、村の墓地の六地蔵の陰に隠れて葬式をながめているごん。「ひがん花が、赤いきれのようにさき続いて」いる墓地の一角で「兵十のうちのだれが死んだんだろう。」と考えている光景をなぜか思い出します。


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気が向いて…再開

4年ぶりにページを開き、記事を書き始めました。

通常学級から情緒障害通級指導学級に異動して4年半、あっという間に過ぎてしまいました。何も分からないで飛び込んだ通級学級でしたが、みなさんに支えられて今日まで来ました。

通級学級にいると、通常学級のことが今までとは違った視点で見えることがあります。通級してくる子どもたちは全員「通常級」に籍があり、その担任の先生方と話すことや、授業を見させていただくこともたくさんあるので当然かもしれません。

教室の後ろや外から見ると、私が通常級の担任でいたころも変なことはたくさんありましたが、最近さらに「変なこと」が増えてきたように感じます。

再開の理由はというと、そんなところでしょうか。先の見通しもなく、限りなく不定期になると思いますが、またまたよろしくお願いいたします。


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振替休日

1日延期になった運動会が昨日の日曜日だったので、前日の土曜日に出勤した分と合わせて月曜日、火曜日と振替休日になりました。平日の休みは嬉しいです。みんなが会社や学校へ急いでいるのを窓から見ながら、のんびりすることができます。

今日は朝から本降りの雨。昨日のいい天気が嘘のようです。雨の中急いで出かけなくてよかったのも気分的には嬉しいことでした。


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ようやく秋らしく…

昨日は中秋の名月でした。夜道を帰りながら、きれいな満月が見えました。猛暑日、真夏日の日数がこれまでの記録をぬりかえ、ようやく夏に終わりが来たようです。
今朝起きると雨。昨日までとはうって変わって涼しい(寒い?)日になりました。季節もそうですが、最近いろいろなことが一気に変わってしまうことが多いので、体も気持ちもそれに対応できないまま時間が過ぎてしまうことが続いています。スローライフという過ごし方に注目が集まったこともありますが、「変化はゆっくりがいい」です。気がついたら秋らしくなっていた…というように季節が変わってくれると体にも、気持ちにも余裕が持てます。

子どもの成長も、きっとゆっくりがいいのだと思います。この時期なると、「(うちのクラスは)同じこと(失敗)をくり返して、ぜんぜん変わらない。」という教師もたくさん見られます。でもきっといつか「いつのまにかこんなことができるようになった…」とか、「今までトラブっていたことが、トラブルにならなくなった…」と気づくときがくるはずです。その変化がゆっくりの方が、人から押しつけられたものではなく、自分で獲得したものとして、体や心の深いところに根付くような気がします。

秋は過ごしやすい季節ですが、多くの教師にとっては「我慢のしどころ」となる時期なのかもしれません。


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久しぶり…

今日は久しぶりの雨降りでした。この前雨が降ったのはいつだろう…と考えますが、7月の終わり頃だったでしょうか、と記憶も定かではないほど「ず~っと前」のことです。猛暑と雨不足で枯れ始めていた農作物にとってもメグミの雨となったでしょうか。手遅れになっていなければいいです。
いつもの雨は出勤するのに気を重たくさせますが、今日の雨は妙にホッとさせてくれる雨でした。決して夏が嫌いではない私も、この夏の暑さや、太陽がギラギラ輝く晴天が、こうも続きすぎるとちょっと食傷気味です。人間の体はいつも「ほどほど」を求めていることがよく分かります。
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